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2017.07.05 インタビュー

映画は裏側から知る?表から楽しむ?大人の楽しい映画講座 スパイラル スコレー

様々な文化プログラムを発信する複合文化施設スパイラル(東京・青山)。開館30周年の2015年には、多彩なジャンルの講師陣による講座「スパイラル スコレー」がオープンしました。プログラムにはアート・デザイン・ライフスタイル、そして映画も!
今回は映画講座の魅力について、スパイラルの加藤育子さん、今井奈津子さん、映画講座コーディネーターの平山玲さんにお話を伺いました。

 

アートの間口を広げる「映画」の魅力

加藤:スパイラルは1985年から文化活動をしています。そこで蓄積されたノウハウやネットワークを活かし、アート以外にも色々広げたいと思っていました。平山さんとの出会いもあったので具体的にプログラムとして動かすことに。
映画は間口の広いところが魅力的。私自身も弊社のスタッフも映画が大好きですし、アート関係者は映画好きが多いです。お互いインスパイアを受け合う分野だと思います。総合芸術といいますか、映像・音楽・ストーリーなど色々な要素がありますよね。

スパイラルスコレー 映画講座:左から今井さん、平山さん、加藤さん
左から今井さん、平山さん、加藤さん
 
今井:現在、「スパイラルスコレー」の講座のメインはアートですが、映画やファッション、建築などの切り口からもスパイラルに興味を持ってほしいと思っていました。
講座には学生さんからご年配の方まで、幅広くご参加いただいています。
 

試行錯誤から見えてくる参加者像

今井:「映画ファン」と言っても色々。鑑賞が好きな方と制作の裏側に興味を持つ方に引っかかるテーマを選定しています。映画を見るだけでは伝わらない宣伝や配給、製作など、映画文化に興味のある方が気に入る講座になればと。
 
加藤:映画業界に携わっている方の参加も多く、矢田部吉彦さん(東京国際映画祭 作品選定ディレクター)をお招きした第5回には数字に関する質問がとんできたり.....!実務で関わる方はそこが知りたいですよね。
裾野を広げようとすると、浅いわかりやすいところから入る方がいいのかな?と思うのですが、私たちのお客様には「より深く、強く!」という欲求を持つ、少しコアな層の方もいらっしゃるので、試行錯誤しています。
 
平山:どちらに寄せるか悩みながら、年間のバランスを見てプログラムを考えています。
 
今井:最初はリピーターが多かったんですが、ゲストが多様になってきたので、最近は新規の参加者も増えています。
女優、映画プロデューサー、映画監督として活躍される杉野希妃さんの回(第8回)はリピーター以外のお客様も沢山いらっしゃいました。
 
平山:その時は杉野さんの魅力を探りたい方が多かったようです。どうやって監督業と女優業を両立している?など、両側からお話できる方は稀だと思います。まさに講座に最適なゲスト。

矢田部さんの回の様子 写真提供:スパイラル
矢田部さんの回の様子 写真提供:スパイラル
 

裏側を知る「スクリーンに映画がかかるまで」と、
映画鑑賞プログラム「POP UP CINEMA」

今井:裏側をお伝えする「スクリーンに映画がかかるまで」シリーズをずっと続けていますが、昨年はより間口の広い映画鑑賞+トークの「POP UP CINEMA」という企画も実施しました。
 
平山:スパイラルの地下1階にあるレストランバー「CAY」が映画館に変貌しました。映画にちなんだメニューが用意されてアルコールもOK。イラストレーターの石川三千花さんのトーク、そしてウェス・アンダーソンという!自分で言うのもなんですが、いい上映会でした(笑)。「POP〜」は作品に関わる方に飛び出してもらう、ポップアップ絵本のイメージなんです。
この企画も手探り。素晴らしい環境があって実現できた上映会です。
 
加藤:「スクリーン〜」は映画の背景についてのレクチャー。「POP〜」は鑑賞メインでお楽しみ付録も盛り沢山、まず見に来て映画そのものの魅力を知ってもらう企画です。

POP UP CINEMAの様子 写真提供:スパイラル
POP UP CINEMAの様子 写真提供:スパイラル
 

スパイラルならではのリソースを活かした映画講座の作り方
和やかな環境作りがコミュニケーションを後押し

加藤:スコレー全体で、スパイラルが持つリソースを活用しながら進めています。普段は9階のスパイラルルームを会場として使っています。スパイラルには様々なフロアが共存しているので、雰囲気に合わせて「POP UP CINEMA」は「CAY」でやりました。
 
平山:他にも館内を舞台に映画を作ったり、色々やりましたね。
 
加藤:色々できる、そこが「スパイラルスコレー」の良さだと思います。
初年度は受講者の皆さんが何に興味をもっていただけるか読み切れずチャレンジの連続でした。知名度のある方を講師に呼ぶとお客様が集まるのでは?と思っていましたが、意外と堅実な裏側の話で盛り上がったり。こういうニーズがあったんだ!と気づかされることが多かったです。
 
今井:そこは手応えがありました。映画業界に就職したい若い方が来て、講座の後で講師の方に話を聞いたり。
 
平山:私もそれが嬉しいです。講義が終わると「さようなら」というのは.....どうにかしたかったので、同じ目線の高さでゲストとコミュニケーションが取れるように意識しています。

「スクリーンに映画がかかるまで」フライヤー
 
加藤: 「スクリーン〜」は前半がトーク、休憩を挟んで後半はお茶やお菓子を食べながらディスカッションやワークショップ。これが基本です。会場にドリンクとお菓子を置くアイデアは平山さん入魂の企画なんですよ。
この講座の特徴として、終わった後参加者同士がお話で盛り上がっているんです。長ければ1時間くらい。これはとてもポジティブに受け止めています。
 
平山:知り合いを紹介したり、上映会をやる方同士が友達になったり、コミュニケーションの場になっているみたいですね。ご縁はずっと続きますし、今後も意識したいところです。
 

参加者もドキドキ!?毎回新しい試みに挑戦

今井:面白かったのは映画を作ったシネロール(第4回)。お客様自身に演技やカメラマンを体験していただきました。
 
今井:2本の脚本を4組で作りましたが、2グループが同じ脚本だと知らせず、最後に種明かし。上映会で「そう作ったんだ!」と盛り上がりました。
 
平山:「やるなー!」ってね。
2時間なのでとてもコンパクト。それがシネロールのワークショップ形態です。作る講座ならシネロールを考案した上田さん(映像作家)が絶対ピッタリだと思って、館内の色々な場所も使ってスムーズに実現しました。
 
加藤:限られた時間内で作るのでドキドキしましたが、上田さんが何度かロケハンに来て丁寧に準備してくださったのが成功のポイントだったんじゃないかと思います。
 
平山:最初は参加者も遠慮がありますが、エンジンが掛かると「もっといいものを!」とこだわります。時間調整が重要でしたね。

左:「スクリーンに映画がかかるまで」のワークショップ 右:シネロールでの映画作り 写真提供:スパイラル
左:「スクリーンに映画がかかるまで」のワークショップ 右:シネロールでの映画作り 写真提供:スパイラル
 
加藤:土肥悦子さんの講座(第1回)は、買い付けをされたアッバス・キアロスタミ監督の話が前半。後半はグループに分かれて、好きな映画についてワークショップをやりました。終わったら映画ファンのサロンのように、みんながすごく仲良くなっていて.....!
 
平山:土肥さんはワークショップデザイナーなんです。アウトプットの場を作りたいと要望があって、私もそういう場所を作りたかったんですよ。
 
加藤:土肥さんの映画に対する情熱や、群衆をかき分けてPRしたエピソードを聞いた後のワークが良かったんでしょうね。講座の後みんなでご飯を食べに行ったり、まだ話そう!というムードがありました。
 

立体的に文化が繋がるスパイラルと講座の可能性 

加藤:私たちはスパイラルをある種の文化インフラだと思ってるんです。ハードウェアでありソフトウェアも作り、ヒューマンウェアも育てていきたい。それらが立体的に絡み合ってこそ文化が繋がっていくと思うので、人づくりの部分もしっかり担いたいです。
映画は1ジャンルですけど、例えば映画とファッションが近づいて拡張される部分もあります。点ではなく線で、そして面となって様々な文化の側面がみられるように、これからもっと広げていきたいですね。
 
映画人がここから育つ可能性も!スパイラル、そしてスコレーの今後の展開が楽しみです。貴重なお話、ありがとうございました!!
 
スパイラル スコレーの詳細はこちら
URL:http://www.spiralschole.com/
スパイラル
URL:http://www.spiral.co.jp/
 
そして次回講座の情報が届きました!
Spiral Schole for Kids
映画監督になってみよう
iPadによる映像制作ワークショップ「シネロール」

映像作家・上田謙太郎さんが考案した「シネロール」のメソッドによる、iPadを使った映像制作体験ワークショップを開催。脚本を元に監督、カメラマン、役者など、子どもたちが役割を担って一つの作品に取り組みます!

開講日:2017年7月29日(土)9:30-11:30(9:15開場)
会場:スパイラルルーム(スパイラル9F)、スパイラル館内(東京都港区南青山5-6-23)
受講料:2,500円(税込) 
定員:25名(4~5名/1グループでワークショップを行います)
対象:小学1年生から小学6年生 向け

URL:http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_2297.html